本日は京都大学の山中さんの言葉を紹介します。山中さんはご存知の通り、iPS細胞を発見した研究者です。iPS細胞についてはこちらの書籍が分かりやすくておすすめです。
「おかげさま」と「身から出たサビ」
背景
私は子供の頃から病弱で、中学に上がった時も、ガリガリの体形でした。しかし、そんなんじゃダメだと父親に言われたことをきっかけに柔道部に入り、高校を卒業するまでの6年間、一生懸命取り組みました。
柔道部時代の経験
柔道だけに限らないが、普段の練習は実に単調である。毎日二、三時間ほど練習したが、とにかく苦しいし、楽しくない。その上、柔道は試合が少ない。野球やサッカーはしょっちゅう試合があるからモチベーションを保ちやすいが、柔道の場合、365日のうち、360日は練習で、残りの5日が試合。。。試合に勝ち進めばまだいいが、負けたらまた半年間はひたすら練習をする。その単調さに負けない精神力、忍耐力は物凄く身に付いた。
これは今の仕事にも生かされている。研究こそまさに単調な毎日で、歓喜の上がる成果は一年に一回どころか、数年に一回しかありません。だから、過去を振り返った際に柔道というスポーツを経験したことは非常に良かった。
母親の教え
高校二年生の時に二段になっていたが、その頃は怪我が多くて、しょっちゅう捻挫や骨折をしていました。ある時、教育実習に来られた柔道三段の大学生の方に稽古をつけてもらった。投げられた時に、私は負けるのが悔しくて受け身をせずに手をつき、腕をポキっと折ってしまった。
その先生は実習に来たその日に生徒を骨折させたということで、とても慌てられたと思う。私が病院で治療を終えて帰宅すると、早速その先生から電話がかかってきて、母親が出ました。その時、「申し訳ないです」と謝る先生に対して、母親は何と言ったか。「いや、悪いのはうちの息子です。息子がちゃんと受け身をしなかったから骨折をしたに違いないので、気にしないでください」と。
当時は反抗期でよく母親と喧嘩していたが、その言葉を聞いて、我が親ながら立派だなっと尊敬し直しました。
その後
それ以来、何か悪いことがあった時は「身から出たサビ」、つまり自分のせいだと考え、反対にいいことが起こった時は「おかげさま」と思う。この2つをモットーにしてきました。上手くいくと自分が努力をしたからだとつい思ってしまうものですが、その割合って実は少ない。周りの人の支えや助けがあって初めて、物事は上手くいくんですね。
本日は京都大学山中さんの考え方を紹介させて頂きました。如何でしたでしょうか?iPS細胞は世界を劇的に変える可能性のある大発見ですよね。山中さんの更なるご活躍を期待するしかないですね!
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