褒め言葉が子供の主体性を伸ばす

子育て
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こんにちは。本日はつい叱りたくなるところを抑え、「褒め言葉」に変換しようというテーマで紹介します。

「褒め言葉」がいいのはなぜ?ほめる教育のメリット

子どもを育てるうえで「褒める」ことの重要性は、広く知られています。子どもを「褒める」ことは、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

家庭が居心地のいい空間になる

毎日がほめ言葉で埋め尽くされることによって、子どもは家庭を居心地のよい空間に感じます。また、上から押さえつけられるのではなく、隣で背中を押してお互いを高めあうチームメイトのような存在として、保護者を感じるようになります。チームの一員として能動的に行動できる環境は、子どもの成長にとても有意義だといえるでしょう。

物事の見方が変わる

たとえば、自分では「ダメだ」と感じていることも、保護者に肯定されることによって、考え方が変わり受け入れられることもあります。物事を多角的に見て、どんな自分に対しても「OK」を出せる、つまり自己肯定感が育まれます。周囲に対しても、一面だけを見て判断するのではなく、視野を広げて良い面を見つけられるようになり、「褒める」マインドが子どもに広がります。

自分らしさがわかる

保護者にほめられると、子どもは「これが自分の強みだ」と気づくことができます。また、自信を持てず欠点だと思っていることも、保護者に認められて勇気づけられることで、「自分らしさ」として受け入れられるようになることも。いい部分とそうではない部分、どちらも自分の個性ととらえられれば、なんとなく自分が好きになり、自己肯定感を高く保てるようになります。

理由を伝えずに子どもを叱り、指示することは、子どもの自信喪失や、能動的な行動に対する苦手意識につながります。一方で、子どもを褒めることは、自身のいいところや自分らしさを見つけて、自らの自信を生み出す傾向にあります。自分らしさと自己肯定感は、多様性が求められる現代社会において、重要な要素といえるでしょう。

また、褒めることは保護者側にも大きなメリットがあります。

ほめるを意識していると、誰かのいいところを探す習慣がつきます。子どもだけでなく、周囲、さらには自分のいいところも見えてくるため、良好な人間関係を築きやすくなります。また、表面的な成果にとらわれずにプロセスを見る力がつき、人生が豊かになるでしょう。子どもへのほめ言葉は、『すごいね』『上手だね』にひと工夫するのがポイントです。上手にほめるために子どもの状態を言語化していくため、自然と語彙力も増えます

子どもの素敵なところを見つけるのは、保護者にとって何より幸せなこと。褒められた子どももうれしく、保護者もうれしい。褒めることで幸せの相乗効果が生まれます。

ほめるメリットを引き出すには“言葉選び”が重要

褒めるポイントは、子ども自身が物事の見方を変えたり、自分らしさに気づけたりする言葉をかけること。

「すごいね」「さすがだね」のような漠然とした言葉ではなく、子どもが自分のよいところに気づき、自分らしさを大切だと感られるような言葉選びを心がけてください。

褒め上手になる言葉選びのポイント

子どもを褒めるには、どのような言葉かけが効果的なのでしょうか。OKとNGの2つに分けてご紹介します。

プロセスや具体的な行動を肯定する声かけはOK!

褒める際には、具体的な行動を示すことが大切です。「たくさん食べてえらいね」よりも「昨日まで食べられなかったトマトが、今日は2つも食べられたね」の方が具体的で、かつ子どもの成長や変化を表せているので、子どもの納得感も高まります

その子らしさや気持ちに寄り添った声かけはOK!

たとえば友だちと遊んでいるとき、自分が使いたいおもちゃがあるのに「貸してほしい」となかなか言い出せなかったとします。そんなときに「友だちが終わるまで待ってあげたんだね。あなたらしくて素敵だね」と保護者から声をかけられたら、言い出せなかった自分を認めてもらえた、自分らしい行動だったと気づくことができます。

結果や成果だけを褒めるのはNG

結果だけに満足するようになると、結果が出しにくいことや苦手なことへのチャレンジを避けたり、保護者に結果を隠したりするようになる可能性があります。ほめるときは、結果ではなくプロセスに注目しましょう。

他者と比較して褒めるのはNG

誰かと比べて子どもを褒めるのは、優劣をつけること。子ども自身が自分で優劣をつけて、自信を喪失してしまうこともあります。他者を引き合いに出すのではなく、その子らしさを伝える褒め方を心がけましょう。

褒め上手になるために必要なのは、よい言葉選びだけではありません。子どもに向ける表情も大切です。

褒めるとは、相手のいいところを見つけて、それを伝えることだと思っています。伝えるとは言語・非言語どちらもあるもので、発する言葉だけではなく、表情もとても重要な要素です。特に言葉を話さない小さな子どもは、保護者の顔をよく見ていますよ。本心ではないことを口にすると、子どもにわかってしまうので要注意です。

口先だけの褒め言葉にならないよう、子どもの褒めポイントをしっかり見つられるようになりましょう。

褒めポイントを見つけるコツ

子どもを適切に褒めるには、その行動を丁寧に観察しながら、さらに保護者が意識しておきたいことがあります。

子どもを観察することはもちろん大切です。同時に、特に幼児〜小学生頃の子どもには、『共感』と『気持ちの代弁』を意識してみてください。子どもの行動や言葉に共感し、子どもの気持ちを代弁して言葉をかけると、自然と上手な褒め言葉になります

「共感」「気持ちの代弁」を意識して伝える

共感と気持ちの代弁とは、どのようなものなのでしょうか? BeforeとAfterで、よりよい伝え方の例をご紹介します。

(例)お絵描きをしている子どもに対して


Before「お絵描き上手にできたね」

After「綺麗な色だね。うれしいね」「素敵なのができたね。ママそれすごく好きだよ」

(例)我慢した子どもに対して

Before「お母さんの言うことを聞けてえらかったね」

After「気持ちの調整ができたね。がんばったね」

子どもの気持ちに共感し、その気持ちを代弁することは、その子らしさやプロセスを肯定することにつながります。保護者目線の「上手だね」「えらいね」という評価ではなく、子どもが今どんな思いなのかを察し、その気持ちに寄り添うような言葉を伝えるようにしましょう。

子どもの気持ちを察して「ママそれ好きだよ」など、保護者自身を主語としたアイメッセージを伝えることも有効です。

自分の思いや考えを伝えようとするとき、「私」が主語ではなく「あなた」を主語にして話していることは、ありませんか。たとえば「(あなたが)おもちゃを片付けなさい」など。この場合は「おもちゃが片付いたら、ママは嬉しいな」など、自分を主語にして気持ちを伝えると、相手に指示された感覚を抱かせることなく行動を後押しできます。

ただし、褒めることは意識しすぎると、保護者の自己満足になりやすいので注意が必要です。

子どもの変化は、表情と声のトーンに表れます。今日はいつもとちょっと違うなと感じたら、声をかけたり、より注意深く観察したりしてください。また、何かに集中しているときや没頭している瞬間は見逃さないように。集中している間は声をかけずに見守り、集中が途切れたら『集中していたね』『がんばってたね』と声をかけるようにしましょう。褒めなくては!と思っていると、つい言葉数が多くなりますが、子どものペースを尊重して、言葉は多すぎず、少なすぎず。必要なときに声をかけるのが理想です

子どもにとって声かけを必要とするタイミングを見極められるよう、上手な観察を心がけましょう。なかには、子どもを観察する時間をつくりにくいと不安を感じるかたもいらっしゃいますが、子どもの観察を一日中行う必要はありません。メリハリをつけることで、よりよいほめ方になることもあるそうです。

子どもとの時間は、量ではありません。違う一日を経験してきた子どもと保護者が、夜の3時間だけ一緒に過ごすのはすごく素敵なことだと思います。新鮮な気持ちで、一日の出来事や感じたことを子どもの言葉で直接聞き、表情を見ることができるからです。場合によっては、より子どもの変化に気づきやすいかもしれません

子どもと過ごす時間が短いからと嘆くのではなく、密度の濃いやりとりを交わしてみましょう。その日の出来事を確認して評価するのではなく、子どもの気持ちに寄り添い、共感と気持ちの代弁を意識して聞くことがポイントです!

つい叱りそうなときは、褒め言葉を活用しよう

子どもと過ごしていると、いいことやほめられることばかりではありません。やはり、叱ったり指示してしまになったときには、どのような伝え方をすればよいのでしょうか?

いきなり褒め言葉に変換することはできなくとも、ネガティブな言葉をポジティブな表現に変えて、広い意味での「褒める」につなげることができますよ。

子どもを叱り過ぎてしまう、指示しすぎてしまいそうなときにおすすめなのが『リフレーミング』という考え方です。リフレーミングとは、枠組みを変えること、見方を変えること。指示する言葉が出そうな場合には、質問や提案に、叱ってしまいそうな場合には、勇気づけや励ましに置き換えるのがおすすめです。ただ、悪いことに対する注意は必要なことです。必ず理由とセットで伝えてください。子どもの悪いところばかりが目についてしまうこともありますが、そこも角度を変えて、ネガティブな表現をポジティブに変換する意識をしてみてくださいね。、

指示言葉をほめ言葉に変換してみよう

子どもに指示してしまいそうなとき、どのように変換すれば押しつけることなく伝えられるのでしょうか?3つの場面に分けてご紹介します。

見ていられなくて指示したくなったとき

子どもの行動が気になり、「○○しなさい」と指示してしまいそうになったら、提案や質問に言葉を変換し、指示語を避けるよう意識してみましょう。

Before「早くしなさい」

After「時計の針が6になったら始めようか」「何時から始める?」

Before「つべこべいわない」

After「自分の意見があるんだね。お母さんの意見も言っていい?」

すぐにあきらめてしまう子どもに対して

何かに取り組んでもあきらめてしまう子どもは、自分が今どこまで進んでいるのかわからず、暗中模索の状態でいることが多いです。保護者は、そのときの状況を客観視して伝え、背中を押すような励まし・勇気づけをしましょう。

Before「あきらめないで」

After「10ページは終わったね!もうひと頑張りだね」「あとは色を塗るだけだね」

悪いことをしている子どもに対して

注意をするときは、なぜその行動がいけないのか、理由を説明することが大切です。そのうえで行動指針を提示し、どうすればよいか子ども自身で考えられるような声かけをしましょう。

Before「その言い方はやめなさい」

After「相手のことを傷つけてしまうよね。あなたの本当の気持ちが伝わる言い方に変えてみようか」

Before「スマホを見すぎ。やめなさい」

After「スマホは中毒性があって自分の意思でやめるのは難しくなるから、今時間を決めて使う習慣をつくった方がいいよ」

応用編!覚えておきたいポジティブ表現

日常でよく使う指示言葉をポジティブ表現に変化するには、どうしたらよいでしょうか?応用が効いて便利な変換方法をご紹介します。

NG「〇〇するべき」
変換後「〇〇しよう」
NG「〇〇しなさい」
変換後「お母さんは〇〇したらいいと思うよ」

どちらも、子どもに最終的な判断を委ねる表現です。子どもにとっては指示されている感じがなくなり、次の行動を考えられるようになるのでおすすめです。

例に挙がった指示言葉のなかに、よく使っている言葉はありましたか?

口癖のようになっているネガティブ表現は無意識に使っていることがほとんどです。まずは自分の口癖を客観視することがおすすめです。パートナーに、自分がよく使っている言葉を聞いてみるのもよいと思いますよ。言葉は習慣なので、意識をすれば正しく矯正していくことができます。また、保護者の口癖は子どもに影響するものなので、子どもからネガティブ表現が飛んできたら、ポジティブ表現に言い換えて返すようにしましょう。子どもが『今日のテストは全然ダメだった』と話しかけてきたら、『今回は残念だったかもしれないけど、勉強がんばってたよね』など、それまでのプロセスを言葉にして伝えるだけでもでも印象が大きく変わってきます。

子どもをよく観察し、ポジティブな表現を積み重ねていくと、いつのまにかその言葉が子どもに自信をつけ、背中を押してくれますついネガティブな言葉を発してしまったときも、その後で言い直すなどしてポジティブ表現を習慣化していきましょう。子どもと接するときだけでなく、普段から意識を変えることが大切ですよ。

声かけが変われば子どもとの関係も変わる

褒め言葉を意識し、子どもへの声かけが変わると、保護者と子どもの関係性にも大きな影響があるそうです。

褒めるマインドを持つ保護者は、子どもの評価者ではなく理解者や応援者になることができます。子どもの力を引き出して、勇気づけていく存在です。保護者と子どもの関係が上下ではなく“チーム”になることで、子どもの主体性、自発性、能動性がぐんと上がります。保護者が取り仕切る家庭ではなく、自分が家庭というチームの一員としてどう行動すればよいかを考え、提案するようになります。その経験は、家庭の外に出て学校や社会の中でも大いに生かされていくと思いますよ

子どもの主体性を育てるには、保護者が子どもに何かをするだけではなく、互いに支え合う関係を整える必要があります。そのためには、たくさんの褒め言葉を通してチームの一員という意識づけをしていくことが大切なのですね。

保護者さまがお子さまに対してイライラしたり、指示したくなったりしてしまうのは、しっかりとその行動を見ているからこそ。そんなときには一息おいて、お子さまのいいところを伝えてみてください。言葉は習慣という意識を忘れずにほめ言葉を積み重ね、自己肯定感を育んでいきましょう。

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